拍手ログ・現代学パロ
クレープ
図書室に本を返却するついでに新刊をチェックしていたら思った以上に面白くて読みふけってしまった。あの本は買いだな。
駅に向かう道は丁度帰宅ラッシュらしく人であふれかえっている。人の波を避けて進んでいると見慣れた麦わら帽子を見つけた。
「麦わら屋、何してんだ?」
「うお!おっ?ロー!」
やっぱり、麦わら屋だったか。
「お前、部活じゃなかったのか?」
「部活はあったぞ。でも、今日は早く終わったんだ。だからちょっと寄り道だ」
そう言って見せてきた手に握られているのは赤と白とを薄い生地で巻いたお菓子。イチゴと生クリームのクレープだった。
「それ、うまいのかよ?」
「うめェぞ!ローも買ってきたらどうだ?」
「俺は一口でいい」
素早く持っている手ごとクレープを引き寄せる。
「・・・あま」
「あー!!俺のクレープ!!」
一口分だけ無くなったクレープを見て、麦わら屋が嘆いた。たかがクレープごときで世界の破滅みたいな顔してんじゃねぇよ。
「返せよ!あほ!」
「本当に返してほしいか?」
思わせぶりに唇に触れる。しかし、麦わら屋の反応は俺の予想とはかけ離れたものだった。
「おう!早く返せ」
「・・・」
忘れていた。コイツは色事のいの字も知らないようなヤツだった。
「ロー?」
「いや、なんでもない。それより、麦わら屋。同じヤツでいいのか?」
ポケットに入っている財布を出しながら問う。いつまでも引きずったって仕方ねェ。
「え、おごってくれんのか?」
「もらったのは事実だしな。で、どうするんだ」
目を輝かせて麦わら屋は言った。
「おれ、唐揚げチーズフォンデュクレープがいい!!」
それはどう考えても地雷だろ
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