リーマンパロ!
フレバーキッス!
吐き出される煙が空に浮かび薄れていくのをぼんやりと眺める。
「タバコなんて身体に悪いだけだぞ?」
一応言ってみせたが聞く相手ではないことは重々承知だ。
「集中力を高めるために吸ってんだよ」
自分と同期の男はネクタイを緩め、ボタンを2番目まで外して紫煙を吸う。しかもタバコを持っていない方の手には灰皿代わりのコーヒーの空き缶。平凡な容姿をした奴だったら指差して笑われそうな格好だが、隙なくはまっている。同性の俺から見てもカッコイイ。
「ふーん。でも、俺、そのにおい嫌いだ」
ふ、と口の中だけで器用にローは笑う。
「これだから麦わら屋は子どもだって言われんだ」
まあ、そんな所もかわいいんだけどな。
「子ども扱いすんな!」
「じゃあ、大人扱いしてやろうか?」
ふと視界が暗くなる。微かな苦みを口に感じた。
「・・・っ!ロー!!」
「誕生日おめでとう」
「へ?」
「5月5日とかお前らしいよな」
何事もなかったように喫煙行為を再開する。
「お似合いだぜ?こどもの日」
まだ子ども扱いするのかと悔しくなって今度は自分から大人の扱いとやらを仕掛ける。再度感じたタバコの味は思ったより悪くなかった。
休日出勤もたまには悪くない
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