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年下ローさん!(現代)


年上の男




大人はみんな馬鹿なんだと思っていた。でも、それは大間違いだった。大馬鹿野郎がこの世にはいるってことを俺は知った。


「ローじゃね?」
「ああ?」
振り返った先にあったのは大きめのサングラスをかけた顔。一瞬誰か分からなかったが、よくよく見るとこの頃ひょんなことから親しくなった社会人であることに気付いた。
「ルフィさん」
「『さん』付け止めてくんねぇ?あ、敬語もな。なんか気持ちわりー」
そう言えばこの前もそんなこと言ってたな。
「おめえこんな時間に何してんだ?学校は?」
「平日に街中歩いてるってことは,ほぼ100%サボタージュだろ」
「え、そーなのか?」
普通そう考えるだろう。今日もこの人はボケボケだ。
「ルフィこそ何やってんだ?仕事、ちゃんとやってんのかよ?」
「今日はオフなんだ」
ルフィさんは今売りだし中のグループバンドのボーカルだ。
「芸能界って楽しそうだな」
「楽しいぞ!!」
「俺も芸能界デビューするかな」
今まで何回かスカウトされてるんだよな。興味がなくて全部断ってきたけど。
「それはダメだ」
「は?」
なんで?
「だって、ローのことをみんなが知るってことだろ?そんなの俺がつまらねー」
身長差のせいでサングラスの上の隙間からわずかに見える目がひたと視線を合わせる。
「ローがカッコイイことは俺だけが知ってりゃいいんだよ」
「・・・」
全く。好き勝手言いやがる。ああ、分かったよ。でもその上目づかいは反則だ。
「なあルフィ。この後どうせ空いてんだろ?俺のうちに来ないか?」
思春期の性欲をなめんなよ!




無自覚な天然タラシの大馬鹿野郎に俺は恋をした







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