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とある質問




「お前、なんで陸軍なんだよ」
空軍のほうがお似合いじゃないか?

そう聞いたのは出会ってから随分経った後。あの事件をきっかけに、麦わら屋とは顔見知り以上には仲良くなったが、幼少期の経験が生かせる空軍ではなく、陸軍に入隊した特別な理由は見当たらなかった。最初こそ健康状態に異常があるのかと思ったが、極めて良好と表すのが遠慮深く聞こえるくらい健康だということが早々と分かり、その説は絶対にないと確信した。また最初に会ったときのことから、今も航空機に乗っており、操縦することへのトラウマや精神的苦痛があるとは思えない。

軍に入るのは個人の希望あってのことでしかあり得ない。陸海空軍への入隊もまたしかりだ。人の勝手だと言ってしまえばそれまでだが、気になるのが人情ってものだ。その頃にはすでに麦わら屋は俺に砕けた態度をとっていたし(最初から相当砕けた態度をとっていたような気がすることがこの際目をつぶる)、多少込み入った内容をもし聞いてもしまっても失礼にならない程度に交友を持っていた。そのため、出会った当初から不自然に思っていたことを直接本人に聞くことにしたのだ。

そして至極簡単に麦わら屋は理由を口にした。
「んー、入隊届の提出を間違えたんだ、俺」
「・・・それ、お前らしくていいな」
馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、ここまで馬鹿だったとは。
「だろ!でも俺、後悔してないんだ」
「?」
「だって陸軍に間違えて入ったからゾロたちに会えたんだ。空軍だったら今の仲間に会えてねーじゃんか」
まあ、理論的には、な。空軍は空軍でお前なら仲間ができそうだとは言わなかった。
正しくは言えなかった。仲間のことを話す麦わら屋が楽しげで、俺の心が波打つ。分かっている。これは嫉妬だ。
「それに」
暗い感情に捕らわれかけていた俺の耳が音を拾う。
「ローに会えた」
「空軍だったら、あの船に乗ってなかったと俺は思うんだ」
「だから、やっぱり陸軍でよかったんだ」
ああ、ちくしょう。
「ロー?」
「ちょっと待て。今、衝動を抑えつけているところだ」




無自覚で人をタラシやがって!!









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