とあるランチタイム
そんなに食べてよくまあ太らないもんだ。食べたやつはどこに消えてるんだよ。
「ん?もー!もんベももにいむんむ?」
「よお。とりあえず口の中のもんを飲み込んじまえ」
口にものを入れたまま喋るなって言われたことないのかよ?
「むぐ。ぷはー!ろーがなんでここにいるんだ?」
「俺がここにいるのがそんなに珍しいか?」
「ああ、すんげぇ珍しい。だってローはほとんど病院から出てこねーじゃねーか」
麦わら屋の言っていることを否定することはできない。確かに俺はほとんど軍病院から出ない。それは雑務が勤務時間内で終わらなくて休日返上でそれらを片づけなければいけなかったり、仮に外出したところで緊急呼び出しを受けることもまれじゃなかったりするためだ。そしてここは基地内とはいえ、軍病院から離れた基地内食堂である。麦わら屋が不思議に思うのも無理はない。
「今日は隣の建物で将官会議があったからな」
「へー、そりゃあオツカレサマだな」
「驚いた。お前にも他人を労う心があったんだな」
「しつれーな奴だなあ。当たり前だろ」
「人の仕事場に来ては暇だかまえと駄々をこねやがるのはどこのどいつだ?」
「さ、さあ?」
ん?これは、いつも馬鹿みたいに素直なこいつにしてはあまり見ない反応だな。しかし、そんなこといつまで言っていられる?
「あまつさえ仕事を増やしていくんだがなあ、そいつは」
「し、ししししし知らねえ!」
お、まだ頑張るのか。でもお前、それは間違った選択だぜ?
「あん?お前、本気でそんなこと思ってんのか?麦わら屋」
「あ、いや、それは、その」
「今度そいつが来たら追い出してやろうかな」
「・・・」
やべえ。
「ふ。冗談だ。そんなこと気にしてねーよ」
「あー冗談かー。びっくりしたぞ!」
「わりいわりい。でもな」
フォークを持っている右腕とは逆の左腕をぐっと引きつつ、自分の身を乗り出す。
「そんなに怯えられると、もっと虐めたくなるだろう?」
耳朶に触れんばかりに囁きかける。
「なあ?麦わら屋、」
瞬間、周囲の空気が変わった。殺気が飛んできた方に視線をやる。
「おっと、これはこれは麦わら部隊の双璧と名高いロロノア屋と黒足屋じゃねえか」
「てめえ、クソ野郎!」
「・・・ルフィから離れな」
何とも過保護かつ余裕がない奴らだ。
「じゃあな、麦わら屋。また来いよ」
ま、今日はこれぐらいにしとくか。
いつもよりお前の顔が赤いのに免じて。
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ちょっと頭冷やしてくる(外は5℃以下で雨)