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とある昼下がり



こう言っては何だが、俺はこの病院で若手のポープとして鳴らしている。若手と言っても階級は軍医としては最高峰の少将だ。が、軍病院内での地位はあくまで外科医主任であり、トップではない。上に上がれないわけではないが、まあこれ以上上がっても下手に事務作業が増えるだけで責任も重くなる。自分のミスでもないのに責任だけ押し付けられるなんてふざけた話だ。


「トラファルガー先生!急患です!」
「先生!507号室の患者さんの容体が急変しました!」
「E区の戦闘により兵士が負傷!こちらに向かっています!緊急オペの用意をお願いします!」
周りは常に慌しい空気が流れている。それに飲まれるなんて俺の矜持に反するため、他人より少しばかり性能のいいらしいこの頭を使う。
「患者の意識を確認しろ。血圧がそれだけあれば死にはしねぇ。他に任せる。第2手術室の準備をしておけ。救急隊員に兵士の様子を随時報告させ、他に執刀できる内容だったらそのままオペに入れ。無理な時は連絡しろ。507号室に俺は向かう。」
「「「はいっ!」」」
全く。余裕がない日常なんてまっぴらだぜ。


患者の容体が安定するまで看ていたが、他からの緊急の呼び出しがない所を見ると、どうやら他は他で治めることができたようだ。
「これで一先ず安心だろう。また異変があったらすぐに呼び出せ」
看護士に指示をするが、内心、今日はもう何もないと結論を出す。時計を見ると次の予定まで時間があることが分かった。宿直明けの今日は朝から頑張った。少しくらい仮眠をとってきても誰も責めやしないだろう。あくびを噛み殺しながら主任室へと向かう。


「なんで麦わら屋が寝てるんだよ」
主任室には診察室兼面談室とは別にプライベートルームがある。決して広くはないが半分病院に住み着いているような自分にとって、シャワールーム付きで仮眠ができるそこは家みたいなものだ。ということは、だ。コイツは人様の家に勝手に上がりこんで眠りこんでいるわけで。
「据え膳食わぬは男のって言うよな」
しかし、まあ、こんなに気持ちよさそうに寝やがって。黒い髪を指で梳くと微かに身じろぎをするが目覚める気配はない。なんか起こすのが惜しくなってきたな。
「おい、麦わら屋。端に寄れ」
人間の三大欲求の一つ、性欲とは他の2つが満たされている時と、正反対の時のどちらかに強く発揮されるらしい。そして今の俺は超絶に眠い。
「やっぱりあったけーな」
天気はいいし、急ぎの用事はない。隣には子ども体温な天然湯たんぽ。





「最高の昼寝日和だろ」









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ごめんなさい。趣味です。あ、設定に一番ツッコミを入れたいのは自分なんで、石投げn(ゲフッ
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