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確かに油断していた。しかし、こいつの基準は誰も理解できないと思う。
寒いけど寒くないよ




「くしゅん」

「かすが殿、風邪でござるか?」

確かに近頃めっきり冷えてきて、今現在肌寒く感じる。が、風邪ではないだろう。

「いや、風邪ではないと思うんだが」

「なめてはなりませぬ。風邪は万病の元、ひき始めが肝心でござる。そうだ!どうかこれを」

そう言ってよこしたのは

「マフラー?しかし、それではお前が!」

「某は平気でござるよ?」

「私が気に食わないんだ!」

「困りましたな」

そう言って真田は眉根を寄せた。しかし、妙案が浮かんだのかパッと顔を輝かせて

「では途中まで一緒に巻いていきましょう!」

と、のたまった。

「お、おい!」

「これならばどちらも寒くないでござる。あ、もしや長さが足りないでござるか!?」

「長さは大丈夫そうだが、ってそうじゃない!・・・いいのか?」

カップルが一緒に歩いたりするのは破廉恥だと言うくせに、こういうことは破廉恥じゃないのか?

「何がでござろう?家の方向も一緒なのでちょうど良いではないですか」

いま一つこいつの基準やら思考やらが理解できない。

「かすが殿、参りましょう!」

でも、今日は実際に寒いからその温かそうなマフラーの厄介になろう。決して真田の笑顔にほだされたわけじゃないぞ!

「あったかいですな!」

「そ、そうだな」

今度このマフラーとお揃いの赤い手袋をお礼にあげよう。




優しい君が風邪をひかないように!




オマケ(佐助+慶次)
校門を楽しげに抜けていく赤色を恨めしげに見つめる影が一つ。

「何で二人で帰んだよー」

「それってどっちに嫉妬してるの?」

「どっちもに決まってるじゃん」

「・・・我慢せずに話しかけたらよかったんじゃないの?」

「んなことしたら、かすがにフルボッコされちゃうよ」








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